くも膜下出血で退院してから、再就職に向け公的な機関に頼れるものは、全て利用しました。
退院してから、就職先が決まるまでのことを書きたいと思います。
高次脳機能障害による精神障害者保健福祉手帳の取得
弟は、くも膜下出血後の後遺症で、高次脳機能障害になりました。
当初はつい先ほどのことも思い出せない、ずっと喋り続け、まったく落ち着きがありませんでした。
良かったのは、以前より明るく、朗らかになったこと。
高次脳機能障害とは
交通事故や頭部のけが、脳卒中などで脳が部分的に損傷を受けたために、言語や記憶などの機能に障害が起きた状態をいいます。
注意力や集中力の低下、比較的古い記憶は保たれているのに新しいことは覚えられない、感情や行動の抑制がきかなくなるなどの精神・心理的症状が現れ、周囲の状況にあった適切な行動が選べなくなり、生活に支障をきたすようになります。
また、外見上では分かりにくいため、周囲の理解が得られにくいと言われています。出典元:東京都福祉保健局
ともかく、高次脳機能障害をなんとかしないとということで、高次脳機能障害のワードをネット検索して、できることがないかいろいろと調べました。
東京都福祉保健局のホームページに高次脳機能障害の相談機関が載っていました。
相談機関のホームページを一つ一つ調べていると、区の福祉センターで高次脳機能障害の相談が月一回行なわれている事を知り、申し込みをしました。
高次脳機能障害相談に行き、高次脳機能障害の治療を受けるにはどうしたら良いか相談しました。
とアドバイスを頂きました。結局元に戻って、東京都福祉保健局に電話することに。
とはいえ、専門の方にいろいろと話しを聞いていただき、心強かったです。
東京都福祉保健局・東京都心身障害者福祉センターの相談窓口の方から、
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shinsho/shien/sien4.html
高次脳機能障害を専門としている病院を紹介してくれました。
早速、精神科に通院し、IQや高次脳機能障害の検査を2ヶ月に渡って行いました。
との診断でした。
精神障害者保健福祉手帳は、診断書、申請書、写真を区の保健所に提出することで取得できました。
18才以上の愛の手帳の取得
愛の手帳は、東京都福祉保健局で判定の予約をして、判定に行きます。
予約の時に、診断書、母子手帳、子供の頃の通信簿もあれば持ってくるように言われました。
予約した日に心理学的判定と医学的判定を行い、その場で最も軽い4度と判定がでました。
手帳は一ヶ月後に郵送で送られてきます。
そもそもなぜ愛の手帳を取得することになったかをお話ししていませんでしたね。
くも膜下出血から倒れてから、リハビリ病院に入院していた頃、担当のお医者さんに呼ばれ、
やっぱりそうかあ。授業にはほどんど着いていけず、成績も悪くて、ひどいいじめにあっていたし。
母といえば、なんでこんなに勉強ができないのかと、悩み続けていました。
中学卒業から約30年同じ会社で真面目に働いていましたが、お給料は最低賃金程度だったと思います。
弟が毎年お正月に帰省すると、そんな状態で将来働けなくなったらどうするのかと、母がお説教をずっと続けていました。
次第に弟は実家にはほとんど帰って来なくなっていました。
母はというと、軽い鬱のような感じで、精神科に通院していたこともあります。
母の愛情がすごいなと思うのは、弟のお給料の少なさに長年悩みながらも、弟のお給料全額を貯金していたことです。
弟は地デジに切り替えがあった頃、テレビを買うことが出来ず、テレビ無しの生活をしていたことを倒れた後に知ります。倒れたときに持っていた所持金全額で2千円でした。
弟とは疎遠なまま過ごしてしまい、もう少し早くから、気にかけてサポートできていれば良かったと思います。
それでも弟は、一人暮らしで好きなだけ漫画を読み、自由に過ごして楽しかったみたい。
小さいときからいじめられても、気にする様子はなく、
と聞いても、
と言っていたことを思い出します。
ちょっとした出来事にストレスを感じる私のような思考回路はなく、悩みのない(としかみえない)ほのぼのとした平和な表情をしています。
なので、弟は、周囲の方から親切にされますし、私も弟を見てると癒されます。
東京障害者職業センターで重度判定
再就職にむけてネットで調べていると、東京障害者職業センターの存在を知り、上野本所の説明会に行きました。利用説明会の後、希望者のみ個別面接を行います。
職業準備支援のかリュキュラムに基づき、1ヶ月通うことになりました。無料です。
後日、ハローワークでそのことをお話すると、東京障害者職業センターに連絡を入れて担当の方を呼び、重度判定を受けられることを知りました。
重度判定を受けると、企業側にメリットがあります。「障害者雇用促進法上の重度障害者」は、ダブルカウント、つまり1人雇えば2人雇っているのと同じ扱いになります。
障害年金申請と区からの障害者への補助金支給
障害年金の申請も行いました。年間780,100円(2019/11/23現在)が振り込まれています。
申請には、受診状況等証明書、申請書、年金手帳、住民票、通帳、印鑑が必要でした。区役所、年金事務所で申請できます。
受診状況等証明書は、一番初めに診療を受けた医療機関にて記入・証明を受ける必要があります。弟の場合は、一番初めに搬送された病院から適切な治療の受けられる別の病院に搬送されていました。
千葉県東金の方にあり、一日かけて受け取りに行きました。
区からの補助も7千円程度ですが、振り込まれています。
ハローワーク障害者雇用
障害者認定された後、区役所の障害支援課障害者就労支援担当の窓口に行きました。
と言われました。
別の窓口に行くと、
とアドバイスを頂きました。
区役所も人によって対応が違うことがあるので、諦めずいろいろな窓口に行って相談すべきだと思います。
ハローワークに行くと、障害者雇用担当の方がいろいろ聞いてくださり、数日後に、いくつか候補があるので、窓口に来てくださいと連絡がありました。オフィスでの雑務の仕事をお勧めしてくれ、面接の申し込みをお願いしました。
ハローワークに行ったその足で、就職支援施設に行き、再就職できるまで、毎日通うことになりました。
就職の面接の練習、スーツの着方、ネクタイの結び方まで教えていただき、面接は就職支援施設の方も同席して、サポートしてくれました。
数日後、ハローワークの方から、就職が決まったと連絡がありました。
心の込もった愛のある対応に今思い出しても、感謝しかありません。
くも膜下出血で倒れてから、2年2ヶ月。2回目の手術の退院からは、1年2ヶ月後のことでした。